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成人期扁平足

成人期扁平足

足のアーチがつぶれて、さらに足全体が外側を向いてしまう障害があります。生まれつきの扁平足と考えて、痛みがあったとしても治療できるものと思っていない方や医師も多いようです。内くるぶしの下にある後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん)という腱が、炎症を起こしたり擦り切れたりして起こることが最近分かってきました(後脛骨筋腱機能障害)。内くるぶしの下のあたりがはれて、ゆっくりと扁平足になっていく場合と、つまづくなどのケガをきっかけとして発症する場合があります。この障害は通常、中高年になって発症します。なお、よくみられる若い時からの変形で、症状のない扁平足は、病院で治療する必要はありません。

アーチを支えるインソールや装具を使って治療します。改善のない場合や変形が高度の場合、腱移行術や骨切り術・関節固定術などで足のアーチを作ることも行います。

1. 腱移行術+踵骨(しょうこつ)骨切り術

擦り切れてしまった後脛骨筋腱を、別の腱を使って再建する手術です。長母趾屈筋腱という腱を舟状骨という足の甲の内側にある骨に縫い付けて、後脛骨筋の代用にします。踵骨骨切り術は外側にかたむいてしまった踵の骨を内側に矯正してスクリューで固定する手術です。通常これら二つの手術を同時に行います。これらの手術はおもに軽度の変形の患者さんに行います。

2. 外側支柱延長術(がいそくしちゅうえんちょうじゅつ)

後脛骨筋腱が切れて扁平足になってから時間が経過すると、足先が徐々に外側を向いてくるようになります。この場合は、腱移行術+踵骨骨切り術に加えて、外側支柱延長を追加することがあります。これは踵の骨を、外くるぶしの前のあたりで少し長くして(当院では人工の骨を使います)、外に向いてしまったつま先が真っすぐ前に向くようにするものです。

3. 三関節固定術

扁平足になってから長い期間が経過すると、その形のまま固まってしまい、上記のような手術では矯正できないことがあります。この場合は、ちょうど崩落した建物を組み立てなおすように、一つ一つの骨を組み立てなおしてアーチをつくり、その位置で固定する手術があります。具体的には距骨下関節、距舟関節、踵立方関節という三つの関節を固定しますので、三関節固定術といいます。